愛奴
「今帰ったよ、周。どこにいるの?」
ケーキの箱をぶら下げて帰って来た章雄が機嫌よく玄関で声をかけたのに、
いつもだったら迎えに出てくる筈の周の姿がどこにも見えない。
あれ?と首を傾げて、章雄はすぐに思い至った。
2週間に1度、周は息子を連れて市内の病院に義理の母親の見舞いに行くのだ。
もうすっかりボケていて、周の事も分からないらしい。
自分を捨てた娘の婿とその子しか見舞いに来ないなんて、淋しい老後だな。
それとも、誰か来るだけましなんだろうか。
ケーキを冷蔵庫に入れていると、「たっだいま〜。周、イイ子にしてた?」と
晴雄の脳天気な声が玄関から聞こえてきた。あいつも忘れてやがる。
「周、お土産買って来たんだぜ・・・と。あれ、アキ?」
「周と円ちゃんならまだ帰ってないよ」
「え?ああ、そうか今日は高川参りの日だったっけ」
せっかくイイモノあるのになーと晴雄が白い箱を指で弾く。
「何だソレ」
「ウチの新製品。媚薬入りミントキャンディー。たったの一粒でどんな淑女もメロメロ・・・の、
メンズタイプ。終わりたくても終われない元気ボーイのスーパーパワーが再び!何つって」
「淑女って・・・センスないなーハルントコのコピーライター」
章雄のイトコである晴雄はアダルトグッズ会社で日々新製品の開発に勤しんでいる。
丁度会社がメンズに力を入れ始めた時期に周に出会ったので、
周を実験台に幾つかのヒット作品を製作して、入社2年目ながら開発部のトップに君臨している。
「そう思うんならアキが何か書いてくれよ」
「ばぁか。俺のターゲットは夢見る頃を過ぎても王子様を夢見ずにいられない
女性群だぞ。アダルトグッズのコピーなんか書けませんてば」
章雄は本業は大学生だが、1年の時に気紛れで応募したエッセーの賞に
引っ掛かって以来、エッセーやちょっとしたコラムを小遣い稼ぎに書いている。
顔の良いのも相俟って、20代後半から30代のキャリア系女性に
ジワジワ人気を集めている。2人は誕生日がたった2週間違いで家も隣同士で、
昔からイトコというより兄弟みたいにして育って来た。
それで章雄の大学進学と晴雄の就職を機に、2人で上京して同居を始めたのだ。
「にしても周、まだかなー。これ結構自信作なんだぜ。
試作品の時だって結構イイ反応だったじゃん?」
「ああ、あれか。もう製品化したのか。随分早かったな」
あの時の周の反応を思い出して章雄はクスッと笑った。
その時玄関から子供の足音が響いて来た。次いでドアが開く音。
「ただいま」
「お帰りなさい」
「ただいま。遅くなってごめんなさい」
「周。口開けて」
えっ?と首を傾げながらも素直に開いた口に、晴雄はキャンディーを放り込んだ。
「えっ何コレ・・・飴?」
「ミントキャンディーだよ」
箱を示すと、円ちゃんが、
「まどちゃんもキャンディー欲しい」と身を乗り出した。
「いいよ。何の味がいい?イチゴと、オレンジと、」
「おい、ハル」
「まどちゃん、イチゴがいい」
「イチゴね。はい」
「ハル!」
「大丈夫だよ、一粒位。じゃ、俺等食事の支度してっから」
「おい、子供にあんな・・・マズイだろう」
「大丈夫だよ。あれただのキャンディーだもん」
「えっ?」
「媚薬入ってんのはミントのだけ。他のは普通のキャンディーなんだよ」
チラッと2人の方を見ると、成る程、円ちゃんはいつも通りだ。
親子と言うより年の離れた兄妹にしか見えないのも仕方ない。
円ちゃんは周が高校生の時の子なんだから。
16才の時にOLと大恋愛をやらかした周は、相手が妊娠してるのが分かった途端に
高校を中退して18になるのを待って籍を入れて19で相手に逃げられた。
実家には勘当されてて、乳飲み子を抱えてパン屋の住み込みやってたのを
章雄が一目惚れして、衣食住の保証で釣って、親子ぐるみで居候させて現在に至る。
正確には、章雄と晴雄が周と円ちゃんの衣食住を保証する代わりに、
周は2人と、大きな声では言えないある契約を結んでいる。
表向きは晴雄の開発するグッズのモニターだが、実際は2人の愛奴。
なんつーか波乱万丈の人生だが、本人はあんまり悲愴に思ってないようだ。
ちょっと頭の造りが緩いって言うか、章雄に言わせると天真爛漫って言うか、
明日は明日の風が吹く、みたいな感じで最初は変な奴だなーと晴雄は思ったが、
実験台には最適だし、いつの間にか揃って2人で周にハマってる。
中華鍋を片手に章雄が呼ぶ。
「周。円ちゃん。おいで。できたよ」
食事が終わる頃には周は首まで赤くなっていた。晴雄はニヤニヤしてる。
「周。どうしたの。顔赤いね」
章雄も知ってて優し気に声をかける。
「うん・・・何だろ。風邪かなぁ」
「じゃ、今日はお風呂は止めにしときなよ。円ちゃん、
アキ兄ちゃんとお風呂入ろう。ハル、周を見てやってて」
「見てやって」の所に力を入れて言うと周が何かを感じたように2人を見上げた。
円ちゃんを風呂から上がらせてリビングに戻ると扇風機が回っていた。
周はパジャマに着替えてて ━━否、恐らくは晴雄に着替えさせられて、
ソファに左肩を押し付けるように体を捻って座っていた。下半身が浮くように。
周の顔の火照りはまだ治まっていない。それどころか酷くなってるように見える。
「周、やっぱり風邪?」
ソファーに片膝をついて肩に手をかけると、ビクッと震える。
気付かない振りで額に額をあてると、熱い吐息が首筋にかかる。
「うん。熱いよ。今日は添い寝禁止。円ちゃん一人で寝れるよね?」
「うん。まどちゃん一人でヘーキ。歯も磨いたよ。パパ」
「んっ・・・いい子だね、円」
苦しい息の下から周が円ちゃんに微笑む。
「じゃあね。おやすみね。パパ」
円ちゃんは年の割に聞き分けがいい。大人の中で育ってるからだろうか。
「さて、と」
晴雄が扇風機を止める。
「サイレントモードの実験してたんだけど、イマイチうるさいんだよなー」
扇風機のファンの音で誤魔化されてたヴヴヴ・・・というモーター音。
「んーでも回りに聞こえそうなスリルも捨て難いしなぁ」
「馬鹿言ってないでハルも早く風呂入っといで」
「OKOK。抜け駆けすんなよ」
晴雄がリモコンを投げて寄越す。受け取って戯れにスイッチを捻ると、
グッタリ座ってた周がピクッと眉を寄せて苦し気に唇を噛む。
潤んだ瞳で見上げられて章雄はグラッと来そうになったが、
「まだだよ。もうちょっと待ってて。ハルがお風呂終わるまで・・・ね」
頬に口付けしてやりながら言うと、目を伏せてコックリ頷く。
「・・・ぁ」
「何?」
周の隣に座ってスイッチをいじりながら、優しく章雄は尋ねる。
「ぁは、っ緩めて・・・イタイ」
「痛いだけ?全然良くない?こうやっても?」
「あぁ、っん、ぅ!」
回転モードから振動モードに切り替える。5種類の責めモードがあって
それぞれ7段階の強さに切り替えられるオモチャは晴雄の会社のヒット作品だ。
「ッイイ・・・けど、イタイ・・・ぁ、やっやめッ」
ピンと来て、パジャマの前を押し下げたら、竿も玉も革のリングとバンドでぎっちり止められてた。
「ああ、これは痛いね。でも周は痛いのも好きだもんね」
「っなこと、ない・・・」
「だって濡れてるよ。先っちょ」
「嘘っ」
「嘘だと思うなら触って御覧。自分で」
章雄が周の手を引っ張って無理矢理潤み始めてる先端に触れさせた。
ビクビクッと震えて咽の奥から微かな呻きが漏れる。
「あ、あのキャンディー・・・」
「何?もっと欲しい?」
「違、んくっ・・・」
章雄は箱からミントキャンディーを一粒取って口に含み、周の顎を捕らえた。
逃げようとする周に口移しでキャンディーを渡し、舌でグイッと押し込む。
「吐き出したりしたらお仕置きだよ?」
耳を嬲りながら囁いてやると、周が熱に浮かされたようにコクコクと頷いた。
チュル、チュプ、と子供のように音を立ててキャンディーを舐める。
「効いて来た?」
晴雄が優しく声をかけると、周がモジモジと腰を揺らす。
「何、な・・・に、入って・・・」
「さあ。知らない。晴雄に聞けば?製品化されてるやつだから
危ないモンじゃないと思うけど。・・・あ、すごい」
縛り付けられながら鎌首をもたげてるペニスにフッと息を吹き掛けると、
周が腿を強ばらせた。ガキッと音がして、
何かと思ったらキャンディーを噛み砕いてしまったらしい。
唇の端から唾液がツウと落ちる。
「あーあ、知らねー」
腰にバスタオル巻いただけの晴雄が入って来て、周にのんびり声をかけた。
「ちょっとずつ舐めて楽しむモンなのに、噛み砕いたら吸収早過ぎンぞ」
薬で朦朧としているのか、周の目はもう焦点が合ってない。
パジャマのズボンはベトベトになってたので晴雄が脱がせてしまった。
しかもそれで周の両手を後ろに縛り上げてしまったんだから、
晴雄はかなりのサドだと思う。
「さぁて、と。どれから行くか」
晴雄が「オモチャ箱」を出して来た。もちろん周専用の、だ。
「周、どれがいい?」
章雄が周の肩を抱いて、瞼にキスしながら尋ねる。片手は周の尻から伸びてる
コードを掴んで、クイクイ引っ張る。その度に周がピクッ、ピクッと震える。
「かーわいい」
「アキ、まだキスはダメだぞ。口ン中に薬残ってるとお前までイッちまうからな」
「あっ。さっき周に口移しで渡す時にちょっと舐めちゃったけどヤバい?」
「うーん。ちょっとなら大丈夫と思うけど。ディープは止めとけ」
「OK」
ツツツーと縁を辿ると、中の振動が指先に微かに感じられる。
「これどうだ。こないだ試着して一番イイ声出た奴。コードレスの」
晴雄が2箇所責め出来るバイブを取り出して見せびらかす。
研究熱心な晴雄は、色んな道具を周に使いたがる。
この間も新しいアダルトショップが出来たからと3人で出かけて、
試着と称して店で片っ端からオモチャを試させたのだ。
そんなプレイをしたがる客は意外に多いらしくて、ちゃんと小部屋が用意されてた。
もちろんオモチャは全部買い上げたが、周にはそんな事は言ってない。
「周が使って買わなかった奴、まだ店にディスプレーされてるのかもなー」と
羞恥心を煽るネタに使って喜んでいる。
章雄はどっちかというと道具を試すより指や自分自身のペニスを入れたいのだが、
晴雄は「だって周名器過ぎてさぁ、俺保たねえもん。
先に2、3回イッといて貰う位で丁度いいよ」と言って道具を使いたがる。
「周。コレ入れてやっから尻こっちに向けて中のモン出して」
「あ、あ・・・ムリ・・・」
「ムリ?出ないの?じゃ、入れたままコレも欲しいの?」
章雄が指でグイグイと突くと、肩で体を支えてた周がヒッと声を上げてのけぞる。
「出す・・・からっ、い、入れないで」
そうして周の体内から、時間をかけて小さめのバイブが落ちる頃には
顔中びっしり汗の粒が浮いていた。しかし息吐く間もなく次のが押し当てられる。
「よく出来ました。御褒美入れてやっからな」
「あ、ぁ・・・」
「おい、もっとゆっくりしてやれよ」
乱暴にも見える動作に章雄が窘めると晴雄が意地悪い顔で笑う。
「大丈夫大丈夫、ぐぷぐぷ呑み込んでるって」
実際、ペニスからはポタ、ポタと雫が落ちている。
「ホラ入った。すっごい拡がってかわいー。じゃ、スイッチ・オン」
「ん、んんっ・・・く・・・」
背中の上でまとめられた両手がギュッ握りしめられる。
周の尻をぺチッと軽く叩いてから、晴雄がニコニコ笑って顔の方に回り込んで言った。
「可愛いおクチ、もーらいっと」
「おい、お前ばっかり遊んでんなよ」
「だってアキ、俺が風呂入ってる間楽しんだんだろ?」
「お前だってその前に、俺が円ちゃん風呂に入れてる時に散々楽しんだんだろうが」
円、という言葉に周がビクッと反応する。その拍子に内部を締め付けたのか、
息を呑んで体を反らせる。
「うん?周どうしたの?やっぱり円ちゃんには知られたくない?」
「そりゃそうだよなぁ。お父さんはこんなに感じやすいンですなんて知られたくないよなあ。
でも大丈夫。円ちゃんは寝付きがいいから周が大っきな声出さなきゃ起きないって。さ、我慢大会ね」
言い様晴雄がリモコンを操作して「強」にする。周が声を噛もうと
目をギュッと閉じて、ブルブル震える。膝で体を支え切れないで、
ベッドに突っ伏しそうになったので、章雄が抱き抱えて起こしてやった。
「寝ちゃったらダメだよ、周」
そしてスルリと周の体の下に入り込んで、涙を滲ませてるペニスの先端をペロッと舐めた。
ビクッと周の体が跳ねて、章雄の口からペニスが逃げる。
「そうそうその調子。腰落とすとかわいーちんちんが章雄に食われンぜ」
「う、ふぅ・・ン・・・っ」
大きなオモチャに敏感な所をかき回されながら、周必死に腰を上げる。
「おおー頑張る頑張る。我慢強いなぁ。手伝って上げるからさっさとクチ開けて」
グイッと顎を掴んで周の口を開けさせて、晴雄が自分のペニスを突っ込んだ。
「んンッ」
「お、すげー」
「どしたの、ハル」
「まだキャンディーのカケラが残ってンの。ちょいザラザラすっけどけっこーイイぜ?」
「え?それって、ハル・・・うわっ」
周がごく小さく、けれど鋭く身を震わせて、耐えかねたように腰を落とした。
当然、章雄が弄んでいたペニスが咽奥に突き込まれる。
目を白黒させて章雄が周の腰を掴んで上げさせる。ケホケホとむせ、涙を滲ませて章雄は言った。
「周、よくも僕にディープスロートさせたね・・・」
章雄の声は周に届いていない。周は晴雄に顔を掴まれて口で奉仕させられている。
「ハル、貸して」
「うっ・・・イイ・・」
「ハル!」
夢中になって腰を振っている晴雄からリモコンを奪い取って、
章雄はコントローラーを滅茶苦茶に動かした。
「ん、んッ!うぅッ、ん!ンッ!」
「お、うぁ、ちょい良すぎ・・・っ」
声も上げられずに体を逸らせようとする周と、引き摺られるように腰を使う晴雄と、
2人ばかりが楽しんでるようで章雄はムッとして晴雄の肩を掴んで引っ張った。
「ハル!ハル・・・?」
「ちょ・・・あ、ヤバ・・・」
晴雄の体も周に負けず劣らず火照っていた。
「ハル、馬鹿お前さっきのキャンディー・・」
「アキ、やべーよ周すっげイイ」
完全に猿化した2人に章雄はとうとう切れた。
「馬鹿ハル、キャンディー残ってる口に突っ込んだらどうなるか位考えとけ!」
幸いにも晴雄の方が周よりも早く醒めた。
「いやー参った参った。ホントによく効いたなアレ」
「馬鹿すぎ」
「そう言うなよアキ。ザラザラしてて結構オツだったぜ?お前も一遍やってみ?」
「馬鹿馬鹿しい」
2人の足下には、玩具は抜かれたものの、まだ解放を許されていない周が
息を弾ませている。ついさっきまで太い物を銜え込んでいた箇所は、完全には
閉じ切らないで、ヒクリ、ヒクリと震えている。
晴雄を1回イかせた後、章雄のも銜えさせて慣らさせた周は、
その次に来る物を待って、ジッと我慢している。
「周、イかせて欲しい?」
章雄が優しく頭をなぜると、周がコクンとうなずいた。
「オモチャじゃイけない?」
「イけ・・け、ど。・・・オモチャじゃ・・・いや・・・」
「じゃあちゃんとおねだりしなさい」
「あ、章雄様。晴、雄・・・様。イかせて・・・下さい。
っ、オモチャじゃ、なくて・・・お2人の、で・・・」
「どっちが先?」
晴雄が茶々を入れる。
「どちら・・・でも・・あッ早く・・・」
「へえ。周は誰のでもいいの?自分さえイければ僕のでもハルのでも
どっちでも構わない訳?ソレすっごい身勝手だって思わない?」
失言に気付いて周が青ざめる。
「まあまあ、そう言うなよ。どっちも同じ位イイから決めらンねんだろ?」
晴雄の助け舟に周がコクコクと頷く。そのセリフに含まれた罠にも気付かないで。
「そんならさぁ。決めらンないなら両方試してみりゃイーよ。いっせのせーで」
腕を解いてやると、痣にはなっていなかったが、周は一寸辛そうだった。
「暴れるからだよ。痺れてる?」
「ぁ、大丈夫・・」
「周細いからな。もっと食えよ。尻にも肉つけてくンねーと痛いんだよな」
晴雄がサラッと言って周を抱き上げて、向い合わせに膝に乗せる。
そして尻を撫でながら肩越しに章雄に目配せする。
「ゆっくり入れてみ?」
周が腰をオズオズ上げて、手を後ろに回して位置を確かめながらソッと挿入していく。
痛みよりも快感が勝るらしく、満足げな溜め息が漏れる。
「よっし、全部入ったな」
晴雄がゴロンと横になる。騎乗位の姿勢になって、下から2、3度突き上げる。
「あ、ああっ、イイ・・・ぃぁあッ?」
後ろに回り込んでいた章雄が、結合部に指を添えた。クルリと回すようになぜて、
そっと、晴雄の緩やかなスラストに合わせるように指を潜り込ませた。
きつい。
けれどきついだけではない。
1本、2本と時間をかければかけるだけ、周のアヌスは誘い込む動きを見せる。
「すごいよね、周・・・こんなイヤラシイ体、どっちか1人じゃ満足なんて出来ないよね」
「俺等が2人いて良かったよなぁ?」
「・・・え?・・・ぅぁあッ」
後ろから周を弄っていた章雄が、指を抜くと、声を上げないように周の口を手で塞いでから、
グイと己のペニスを割り込ませた。
「ッ!!!」
「あっ・・ク・・・きついッ」
「いて、ぇっ、周、緩めろ・・・」
首を振って逃れようとする体を2人がかりで押さえ付けて、奥まで銜えさせる。
中頃を過ぎた時に、周が息を呑んだ。ペニスが勢いを増す。
晴雄が章雄の手をのけさせて、周にキスする。
長いキスと共に、ゆっくりとアヌスが馴染んで来る。
唇を離した時には、周の体は逃れようとする動きではなく、すがりつく動きになっていた。
「あ、ああ、っ・・外して、前外してください・・・っ」
「え?」
「あ、ホントだ。悪い悪い。すっかり忘れてたわ」
クックッと笑って晴雄が戒められたペニスを指で弾く。
ビクンッと体を震わせる周を背後から章雄が抱き竦めて、後ろから手を回して
解放は勿論、萎える事も許されていないペニスを握りしめる。
そうして二人の手で、余計な所も弄られながら、やっとコックリングが外された。
「ぁぁあ・・・っ」
「風邪を引いてダウンしてるお父さんの代わりに、お父さんの友達が保育園に送りに来た」
というシチュエーションに色めき立ったのは若い女性の保育士だけではなかった。
年長組の女の子達も女性である事に代わりはなく、いつもなら男の子を押し退けて
ブランコを取り合う子達でさえモジモジと俯いて頬を染め、晴雄と目が合うと
キャッなどと奇声を発して保育士のスカートの陰に隠れる。
「じゃあね。円ちゃん、お迎えにはアキが来るからね」
「うん。まどちゃん良い子にしてたら、パパのお風邪、すぐ治るよね?」
「治る治る。今日一日寝てたらきっとパパの風邪どっかへ飛んでっから」
「はーい。ばいばーい」
小さい手にバイバイと手を振り返してやって最寄り駅に向かう晴雄には知るよしもなかった。
円ちゃんが、「オヤツ」に昨日のキャンディーを3粒ポケットに忍ばせていた事を。
その中に、白いミントキャンディーがあった事を。
それを、誰にもナイショでいちばん大好きなセンセイに上げた事を。
その若い男の保育士が、就業中に飴を舐める訳にもいかず、包み紙のままポケットに入れておいて、
帰り際、駅でガムを買おうと思って思い出し、電車に乗る直前に口に放り込んだ事を━━━━。
ケーキの箱をぶら下げて帰って来た章雄が機嫌よく玄関で声をかけたのに、
いつもだったら迎えに出てくる筈の周の姿がどこにも見えない。
あれ?と首を傾げて、章雄はすぐに思い至った。
2週間に1度、周は息子を連れて市内の病院に義理の母親の見舞いに行くのだ。
もうすっかりボケていて、周の事も分からないらしい。
自分を捨てた娘の婿とその子しか見舞いに来ないなんて、淋しい老後だな。
それとも、誰か来るだけましなんだろうか。
ケーキを冷蔵庫に入れていると、「たっだいま〜。周、イイ子にしてた?」と
晴雄の脳天気な声が玄関から聞こえてきた。あいつも忘れてやがる。
「周、お土産買って来たんだぜ・・・と。あれ、アキ?」
「周と円ちゃんならまだ帰ってないよ」
「え?ああ、そうか今日は高川参りの日だったっけ」
せっかくイイモノあるのになーと晴雄が白い箱を指で弾く。
「何だソレ」
「ウチの新製品。媚薬入りミントキャンディー。たったの一粒でどんな淑女もメロメロ・・・の、
メンズタイプ。終わりたくても終われない元気ボーイのスーパーパワーが再び!何つって」
「淑女って・・・センスないなーハルントコのコピーライター」
章雄のイトコである晴雄はアダルトグッズ会社で日々新製品の開発に勤しんでいる。
丁度会社がメンズに力を入れ始めた時期に周に出会ったので、
周を実験台に幾つかのヒット作品を製作して、入社2年目ながら開発部のトップに君臨している。
「そう思うんならアキが何か書いてくれよ」
「ばぁか。俺のターゲットは夢見る頃を過ぎても王子様を夢見ずにいられない
女性群だぞ。アダルトグッズのコピーなんか書けませんてば」
章雄は本業は大学生だが、1年の時に気紛れで応募したエッセーの賞に
引っ掛かって以来、エッセーやちょっとしたコラムを小遣い稼ぎに書いている。
顔の良いのも相俟って、20代後半から30代のキャリア系女性に
ジワジワ人気を集めている。2人は誕生日がたった2週間違いで家も隣同士で、
昔からイトコというより兄弟みたいにして育って来た。
それで章雄の大学進学と晴雄の就職を機に、2人で上京して同居を始めたのだ。
「にしても周、まだかなー。これ結構自信作なんだぜ。
試作品の時だって結構イイ反応だったじゃん?」
「ああ、あれか。もう製品化したのか。随分早かったな」
あの時の周の反応を思い出して章雄はクスッと笑った。
その時玄関から子供の足音が響いて来た。次いでドアが開く音。
「ただいま」
「お帰りなさい」
「ただいま。遅くなってごめんなさい」
「周。口開けて」
えっ?と首を傾げながらも素直に開いた口に、晴雄はキャンディーを放り込んだ。
「えっ何コレ・・・飴?」
「ミントキャンディーだよ」
箱を示すと、円ちゃんが、
「まどちゃんもキャンディー欲しい」と身を乗り出した。
「いいよ。何の味がいい?イチゴと、オレンジと、」
「おい、ハル」
「まどちゃん、イチゴがいい」
「イチゴね。はい」
「ハル!」
「大丈夫だよ、一粒位。じゃ、俺等食事の支度してっから」
「おい、子供にあんな・・・マズイだろう」
「大丈夫だよ。あれただのキャンディーだもん」
「えっ?」
「媚薬入ってんのはミントのだけ。他のは普通のキャンディーなんだよ」
チラッと2人の方を見ると、成る程、円ちゃんはいつも通りだ。
親子と言うより年の離れた兄妹にしか見えないのも仕方ない。
円ちゃんは周が高校生の時の子なんだから。
16才の時にOLと大恋愛をやらかした周は、相手が妊娠してるのが分かった途端に
高校を中退して18になるのを待って籍を入れて19で相手に逃げられた。
実家には勘当されてて、乳飲み子を抱えてパン屋の住み込みやってたのを
章雄が一目惚れして、衣食住の保証で釣って、親子ぐるみで居候させて現在に至る。
正確には、章雄と晴雄が周と円ちゃんの衣食住を保証する代わりに、
周は2人と、大きな声では言えないある契約を結んでいる。
表向きは晴雄の開発するグッズのモニターだが、実際は2人の愛奴。
なんつーか波乱万丈の人生だが、本人はあんまり悲愴に思ってないようだ。
ちょっと頭の造りが緩いって言うか、章雄に言わせると天真爛漫って言うか、
明日は明日の風が吹く、みたいな感じで最初は変な奴だなーと晴雄は思ったが、
実験台には最適だし、いつの間にか揃って2人で周にハマってる。
中華鍋を片手に章雄が呼ぶ。
「周。円ちゃん。おいで。できたよ」
食事が終わる頃には周は首まで赤くなっていた。晴雄はニヤニヤしてる。
「周。どうしたの。顔赤いね」
章雄も知ってて優し気に声をかける。
「うん・・・何だろ。風邪かなぁ」
「じゃ、今日はお風呂は止めにしときなよ。円ちゃん、
アキ兄ちゃんとお風呂入ろう。ハル、周を見てやってて」
「見てやって」の所に力を入れて言うと周が何かを感じたように2人を見上げた。
円ちゃんを風呂から上がらせてリビングに戻ると扇風機が回っていた。
周はパジャマに着替えてて ━━否、恐らくは晴雄に着替えさせられて、
ソファに左肩を押し付けるように体を捻って座っていた。下半身が浮くように。
周の顔の火照りはまだ治まっていない。それどころか酷くなってるように見える。
「周、やっぱり風邪?」
ソファーに片膝をついて肩に手をかけると、ビクッと震える。
気付かない振りで額に額をあてると、熱い吐息が首筋にかかる。
「うん。熱いよ。今日は添い寝禁止。円ちゃん一人で寝れるよね?」
「うん。まどちゃん一人でヘーキ。歯も磨いたよ。パパ」
「んっ・・・いい子だね、円」
苦しい息の下から周が円ちゃんに微笑む。
「じゃあね。おやすみね。パパ」
円ちゃんは年の割に聞き分けがいい。大人の中で育ってるからだろうか。
「さて、と」
晴雄が扇風機を止める。
「サイレントモードの実験してたんだけど、イマイチうるさいんだよなー」
扇風機のファンの音で誤魔化されてたヴヴヴ・・・というモーター音。
「んーでも回りに聞こえそうなスリルも捨て難いしなぁ」
「馬鹿言ってないでハルも早く風呂入っといで」
「OKOK。抜け駆けすんなよ」
晴雄がリモコンを投げて寄越す。受け取って戯れにスイッチを捻ると、
グッタリ座ってた周がピクッと眉を寄せて苦し気に唇を噛む。
潤んだ瞳で見上げられて章雄はグラッと来そうになったが、
「まだだよ。もうちょっと待ってて。ハルがお風呂終わるまで・・・ね」
頬に口付けしてやりながら言うと、目を伏せてコックリ頷く。
「・・・ぁ」
「何?」
周の隣に座ってスイッチをいじりながら、優しく章雄は尋ねる。
「ぁは、っ緩めて・・・イタイ」
「痛いだけ?全然良くない?こうやっても?」
「あぁ、っん、ぅ!」
回転モードから振動モードに切り替える。5種類の責めモードがあって
それぞれ7段階の強さに切り替えられるオモチャは晴雄の会社のヒット作品だ。
「ッイイ・・・けど、イタイ・・・ぁ、やっやめッ」
ピンと来て、パジャマの前を押し下げたら、竿も玉も革のリングとバンドでぎっちり止められてた。
「ああ、これは痛いね。でも周は痛いのも好きだもんね」
「っなこと、ない・・・」
「だって濡れてるよ。先っちょ」
「嘘っ」
「嘘だと思うなら触って御覧。自分で」
章雄が周の手を引っ張って無理矢理潤み始めてる先端に触れさせた。
ビクビクッと震えて咽の奥から微かな呻きが漏れる。
「あ、あのキャンディー・・・」
「何?もっと欲しい?」
「違、んくっ・・・」
章雄は箱からミントキャンディーを一粒取って口に含み、周の顎を捕らえた。
逃げようとする周に口移しでキャンディーを渡し、舌でグイッと押し込む。
「吐き出したりしたらお仕置きだよ?」
耳を嬲りながら囁いてやると、周が熱に浮かされたようにコクコクと頷いた。
チュル、チュプ、と子供のように音を立ててキャンディーを舐める。
「効いて来た?」
晴雄が優しく声をかけると、周がモジモジと腰を揺らす。
「何、な・・・に、入って・・・」
「さあ。知らない。晴雄に聞けば?製品化されてるやつだから
危ないモンじゃないと思うけど。・・・あ、すごい」
縛り付けられながら鎌首をもたげてるペニスにフッと息を吹き掛けると、
周が腿を強ばらせた。ガキッと音がして、
何かと思ったらキャンディーを噛み砕いてしまったらしい。
唇の端から唾液がツウと落ちる。
「あーあ、知らねー」
腰にバスタオル巻いただけの晴雄が入って来て、周にのんびり声をかけた。
「ちょっとずつ舐めて楽しむモンなのに、噛み砕いたら吸収早過ぎンぞ」
薬で朦朧としているのか、周の目はもう焦点が合ってない。
パジャマのズボンはベトベトになってたので晴雄が脱がせてしまった。
しかもそれで周の両手を後ろに縛り上げてしまったんだから、
晴雄はかなりのサドだと思う。
「さぁて、と。どれから行くか」
晴雄が「オモチャ箱」を出して来た。もちろん周専用の、だ。
「周、どれがいい?」
章雄が周の肩を抱いて、瞼にキスしながら尋ねる。片手は周の尻から伸びてる
コードを掴んで、クイクイ引っ張る。その度に周がピクッ、ピクッと震える。
「かーわいい」
「アキ、まだキスはダメだぞ。口ン中に薬残ってるとお前までイッちまうからな」
「あっ。さっき周に口移しで渡す時にちょっと舐めちゃったけどヤバい?」
「うーん。ちょっとなら大丈夫と思うけど。ディープは止めとけ」
「OK」
ツツツーと縁を辿ると、中の振動が指先に微かに感じられる。
「これどうだ。こないだ試着して一番イイ声出た奴。コードレスの」
晴雄が2箇所責め出来るバイブを取り出して見せびらかす。
研究熱心な晴雄は、色んな道具を周に使いたがる。
この間も新しいアダルトショップが出来たからと3人で出かけて、
試着と称して店で片っ端からオモチャを試させたのだ。
そんなプレイをしたがる客は意外に多いらしくて、ちゃんと小部屋が用意されてた。
もちろんオモチャは全部買い上げたが、周にはそんな事は言ってない。
「周が使って買わなかった奴、まだ店にディスプレーされてるのかもなー」と
羞恥心を煽るネタに使って喜んでいる。
章雄はどっちかというと道具を試すより指や自分自身のペニスを入れたいのだが、
晴雄は「だって周名器過ぎてさぁ、俺保たねえもん。
先に2、3回イッといて貰う位で丁度いいよ」と言って道具を使いたがる。
「周。コレ入れてやっから尻こっちに向けて中のモン出して」
「あ、あ・・・ムリ・・・」
「ムリ?出ないの?じゃ、入れたままコレも欲しいの?」
章雄が指でグイグイと突くと、肩で体を支えてた周がヒッと声を上げてのけぞる。
「出す・・・からっ、い、入れないで」
そうして周の体内から、時間をかけて小さめのバイブが落ちる頃には
顔中びっしり汗の粒が浮いていた。しかし息吐く間もなく次のが押し当てられる。
「よく出来ました。御褒美入れてやっからな」
「あ、ぁ・・・」
「おい、もっとゆっくりしてやれよ」
乱暴にも見える動作に章雄が窘めると晴雄が意地悪い顔で笑う。
「大丈夫大丈夫、ぐぷぐぷ呑み込んでるって」
実際、ペニスからはポタ、ポタと雫が落ちている。
「ホラ入った。すっごい拡がってかわいー。じゃ、スイッチ・オン」
「ん、んんっ・・・く・・・」
背中の上でまとめられた両手がギュッ握りしめられる。
周の尻をぺチッと軽く叩いてから、晴雄がニコニコ笑って顔の方に回り込んで言った。
「可愛いおクチ、もーらいっと」
「おい、お前ばっかり遊んでんなよ」
「だってアキ、俺が風呂入ってる間楽しんだんだろ?」
「お前だってその前に、俺が円ちゃん風呂に入れてる時に散々楽しんだんだろうが」
円、という言葉に周がビクッと反応する。その拍子に内部を締め付けたのか、
息を呑んで体を反らせる。
「うん?周どうしたの?やっぱり円ちゃんには知られたくない?」
「そりゃそうだよなぁ。お父さんはこんなに感じやすいンですなんて知られたくないよなあ。
でも大丈夫。円ちゃんは寝付きがいいから周が大っきな声出さなきゃ起きないって。さ、我慢大会ね」
言い様晴雄がリモコンを操作して「強」にする。周が声を噛もうと
目をギュッと閉じて、ブルブル震える。膝で体を支え切れないで、
ベッドに突っ伏しそうになったので、章雄が抱き抱えて起こしてやった。
「寝ちゃったらダメだよ、周」
そしてスルリと周の体の下に入り込んで、涙を滲ませてるペニスの先端をペロッと舐めた。
ビクッと周の体が跳ねて、章雄の口からペニスが逃げる。
「そうそうその調子。腰落とすとかわいーちんちんが章雄に食われンぜ」
「う、ふぅ・・ン・・・っ」
大きなオモチャに敏感な所をかき回されながら、周必死に腰を上げる。
「おおー頑張る頑張る。我慢強いなぁ。手伝って上げるからさっさとクチ開けて」
グイッと顎を掴んで周の口を開けさせて、晴雄が自分のペニスを突っ込んだ。
「んンッ」
「お、すげー」
「どしたの、ハル」
「まだキャンディーのカケラが残ってンの。ちょいザラザラすっけどけっこーイイぜ?」
「え?それって、ハル・・・うわっ」
周がごく小さく、けれど鋭く身を震わせて、耐えかねたように腰を落とした。
当然、章雄が弄んでいたペニスが咽奥に突き込まれる。
目を白黒させて章雄が周の腰を掴んで上げさせる。ケホケホとむせ、涙を滲ませて章雄は言った。
「周、よくも僕にディープスロートさせたね・・・」
章雄の声は周に届いていない。周は晴雄に顔を掴まれて口で奉仕させられている。
「ハル、貸して」
「うっ・・・イイ・・」
「ハル!」
夢中になって腰を振っている晴雄からリモコンを奪い取って、
章雄はコントローラーを滅茶苦茶に動かした。
「ん、んッ!うぅッ、ん!ンッ!」
「お、うぁ、ちょい良すぎ・・・っ」
声も上げられずに体を逸らせようとする周と、引き摺られるように腰を使う晴雄と、
2人ばかりが楽しんでるようで章雄はムッとして晴雄の肩を掴んで引っ張った。
「ハル!ハル・・・?」
「ちょ・・・あ、ヤバ・・・」
晴雄の体も周に負けず劣らず火照っていた。
「ハル、馬鹿お前さっきのキャンディー・・」
「アキ、やべーよ周すっげイイ」
完全に猿化した2人に章雄はとうとう切れた。
「馬鹿ハル、キャンディー残ってる口に突っ込んだらどうなるか位考えとけ!」
幸いにも晴雄の方が周よりも早く醒めた。
「いやー参った参った。ホントによく効いたなアレ」
「馬鹿すぎ」
「そう言うなよアキ。ザラザラしてて結構オツだったぜ?お前も一遍やってみ?」
「馬鹿馬鹿しい」
2人の足下には、玩具は抜かれたものの、まだ解放を許されていない周が
息を弾ませている。ついさっきまで太い物を銜え込んでいた箇所は、完全には
閉じ切らないで、ヒクリ、ヒクリと震えている。
晴雄を1回イかせた後、章雄のも銜えさせて慣らさせた周は、
その次に来る物を待って、ジッと我慢している。
「周、イかせて欲しい?」
章雄が優しく頭をなぜると、周がコクンとうなずいた。
「オモチャじゃイけない?」
「イけ・・け、ど。・・・オモチャじゃ・・・いや・・・」
「じゃあちゃんとおねだりしなさい」
「あ、章雄様。晴、雄・・・様。イかせて・・・下さい。
っ、オモチャじゃ、なくて・・・お2人の、で・・・」
「どっちが先?」
晴雄が茶々を入れる。
「どちら・・・でも・・あッ早く・・・」
「へえ。周は誰のでもいいの?自分さえイければ僕のでもハルのでも
どっちでも構わない訳?ソレすっごい身勝手だって思わない?」
失言に気付いて周が青ざめる。
「まあまあ、そう言うなよ。どっちも同じ位イイから決めらンねんだろ?」
晴雄の助け舟に周がコクコクと頷く。そのセリフに含まれた罠にも気付かないで。
「そんならさぁ。決めらンないなら両方試してみりゃイーよ。いっせのせーで」
腕を解いてやると、痣にはなっていなかったが、周は一寸辛そうだった。
「暴れるからだよ。痺れてる?」
「ぁ、大丈夫・・」
「周細いからな。もっと食えよ。尻にも肉つけてくンねーと痛いんだよな」
晴雄がサラッと言って周を抱き上げて、向い合わせに膝に乗せる。
そして尻を撫でながら肩越しに章雄に目配せする。
「ゆっくり入れてみ?」
周が腰をオズオズ上げて、手を後ろに回して位置を確かめながらソッと挿入していく。
痛みよりも快感が勝るらしく、満足げな溜め息が漏れる。
「よっし、全部入ったな」
晴雄がゴロンと横になる。騎乗位の姿勢になって、下から2、3度突き上げる。
「あ、ああっ、イイ・・・ぃぁあッ?」
後ろに回り込んでいた章雄が、結合部に指を添えた。クルリと回すようになぜて、
そっと、晴雄の緩やかなスラストに合わせるように指を潜り込ませた。
きつい。
けれどきついだけではない。
1本、2本と時間をかければかけるだけ、周のアヌスは誘い込む動きを見せる。
「すごいよね、周・・・こんなイヤラシイ体、どっちか1人じゃ満足なんて出来ないよね」
「俺等が2人いて良かったよなぁ?」
「・・・え?・・・ぅぁあッ」
後ろから周を弄っていた章雄が、指を抜くと、声を上げないように周の口を手で塞いでから、
グイと己のペニスを割り込ませた。
「ッ!!!」
「あっ・・ク・・・きついッ」
「いて、ぇっ、周、緩めろ・・・」
首を振って逃れようとする体を2人がかりで押さえ付けて、奥まで銜えさせる。
中頃を過ぎた時に、周が息を呑んだ。ペニスが勢いを増す。
晴雄が章雄の手をのけさせて、周にキスする。
長いキスと共に、ゆっくりとアヌスが馴染んで来る。
唇を離した時には、周の体は逃れようとする動きではなく、すがりつく動きになっていた。
「あ、ああ、っ・・外して、前外してください・・・っ」
「え?」
「あ、ホントだ。悪い悪い。すっかり忘れてたわ」
クックッと笑って晴雄が戒められたペニスを指で弾く。
ビクンッと体を震わせる周を背後から章雄が抱き竦めて、後ろから手を回して
解放は勿論、萎える事も許されていないペニスを握りしめる。
そうして二人の手で、余計な所も弄られながら、やっとコックリングが外された。
「ぁぁあ・・・っ」
「風邪を引いてダウンしてるお父さんの代わりに、お父さんの友達が保育園に送りに来た」
というシチュエーションに色めき立ったのは若い女性の保育士だけではなかった。
年長組の女の子達も女性である事に代わりはなく、いつもなら男の子を押し退けて
ブランコを取り合う子達でさえモジモジと俯いて頬を染め、晴雄と目が合うと
キャッなどと奇声を発して保育士のスカートの陰に隠れる。
「じゃあね。円ちゃん、お迎えにはアキが来るからね」
「うん。まどちゃん良い子にしてたら、パパのお風邪、すぐ治るよね?」
「治る治る。今日一日寝てたらきっとパパの風邪どっかへ飛んでっから」
「はーい。ばいばーい」
小さい手にバイバイと手を振り返してやって最寄り駅に向かう晴雄には知るよしもなかった。
円ちゃんが、「オヤツ」に昨日のキャンディーを3粒ポケットに忍ばせていた事を。
その中に、白いミントキャンディーがあった事を。
それを、誰にもナイショでいちばん大好きなセンセイに上げた事を。
その若い男の保育士が、就業中に飴を舐める訳にもいかず、包み紙のままポケットに入れておいて、
帰り際、駅でガムを買おうと思って思い出し、電車に乗る直前に口に放り込んだ事を━━━━。
11/07/16 20:09更新 / blueblack