今日のセミナーは入りが悪く先生は機嫌が悪かった。
でもUFOブームなんてとっくに去ってるんだからしょうがない。
それにしちゃ頑張ってる方だと思う。
先生は60年代にUFO番組のディレクターとして活躍した方で
ブームが去ってからも宇宙の真理を解明したと称して
自己啓発セミナーに鞍替えて荒稼ぎしてる。
僕はまだ先生の事務所に入って2年目だが
(先生に心酔してる訳じゃ無く就職難でどこも入れなかったのだ)
スケジュール表は正に売れない演歌歌手の全国ドサ回り状態。
マスコミは先生を笑い者にしてるが、セミナーやれば人は来るし
(落ちぶれた芸能人を見物する感覚だろうと僕は思ってる)
脱税してるし商売繁盛マコトに結構。最後に笑うのは金のある奴だ。
例え先生がマジモンの電波でも。
そう。先生は本気の本気で宇宙人を信じてるんだ。
「望月ー、先生呼んで来い」
今更ながらエライとこに就職しちゃったなあ。
こんな時の先生は八つ当たりがひどい。
宣伝が悪い。マネジャーが無能。会場が悪い。ポスターに誤字があった。
マスコミのインタビューで自分の言った事が歪曲して報道した。
自分の事は棚に上げて言う言う。言い過ぎて自己矛盾しても平気。
貴様らが寄ってたかって俺の使命を阻むと騒ぎ散らす。
電波ゆんゆん。
控え室の前で深呼吸1つ。
ノックをしようとして中から物音が聞こえて僕は躊躇した。
また女かな?
一度現場に踏み込んでエライ目に合った事がある。
カタカタカタ……
あーやってるよ。時間押してるのに。
ハァハァ息使いが聞こえるし……あれ?
「…やめろ……こんな所でっ」
ぇぇえええええええええええええええええ?????!!!11
今の……先生の声だよな?
でも先生こんな所でって……いつも女連れ込んでるクセに。
じゃなくて!!!
なんで先生が喘いでんだ?!
僕のパニックをよそに声は増々切羽詰まってる。
「ああ、ああ……そこっ…」
相手の声が聞こえないのが余計エッチだ。おまけに先生意外と声がエロくて。
僕は我慢出来なくてソロソロとドアを開けた。
「……うわああ!!!」
(ココに前スレ501さんのイラ挿入キボン)
余りの事に僕は大声を上げてしまった。
先生のシャツはボタンが半分ぐらい外されて肩から落ちてて
年の割にスベスベの肌が……じゃない!
先生を背後から抱き締めてる灰色の腕が長い節くれ立った指でボタンを外して
もう一方の手を顔に回して先生の口に指を突っ込んでるのは、
どう見てもエイリアンだったのだ!!!
しかもエイリアンの奴は僕を見てニタニタ笑って
上気してる先生の体をグイッと僕に向けたんだ。
「え、ああっ…望月?」
意識を飛ばしてたらしい先生が僕を見て急に暴れた。
でもエイリアンは先生をガチッと押さえ付けて腰に手を回して
いきり立ってるモノをグイッと扱き上げた。
ヒイッと声を上げて先生が仰け反る。
「やめて……やめてくれ、あっ、望…月が…見てるっ」
汗を飛び散らせる先生の背後からエイリアンが何か囁いた。
途端にボッと赤くなったから多分イヤらしい事を言われたんだろう。
僕は動けなくなってしまった。
馬鹿みたいに突っ立って先生の痴態を眺めてる。
「あ、ああっ!!」
一際高い声を上げて先生の体が硬直し、それから崩れ落ちた。
失神したらしい。エイリアンは荷物を運ぶように乱暴に先生を抱えて
控え室のテーブルの上に乗せた。そして僕を見てニタリと笑った。
突然僕の頭の中に直接声が聞こえて来た。
『協力してくれるかね?』
「えっ?」
『私の体は人類と性交が出来る形状ではない。
その所為で純一にも淋しい思いをさせてしまった。
しかし君なら純一を満足させてやれるだろう』
僕は……ゆっくりベルトを外した。
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